2009年04月27日

水虫 その1

水虫という俗称は、田圃で仕事をしている農民が、自分の足に小水疱ができてムズムズして非常に痒いので、この原因は田圃の水の中にいる虫に刺されたと思い込んだことに由来します。

という具合に、水虫の名前の由来は解説されています。
ということは、日本における水虫とは田圃で働く農民の職業病のようなものであったのでしょうか・・・

欧米は田圃では無く畑なので水虫とは無縁かと思いきや、athlete’s footなる俗称があります。
これは、運動選手に多くあらわれた足の症状から命名されたものと思われます。

水虫は今では「 白癬菌による感染症 」と解明されていますが、感染する場所によって呼び方が違うのも日本独自の文化でしょうか・・・

例えば、太股の内側や陰部に感染すると日本では「 陰金(いんきん) 」となりますが、英語ではathlete’s Jockとかathlete’s Crotchと想像しましたが、これはただ単にJock itchとかCrotch rotと呼ばれるようです。

jockとは男性の性器を現す所謂卑語で、感覚的には日本語のいんきんに非常に近いようです。

水虫の正式名称はTinea Pedisで、この名称が使われたのは1888年のことだそうです。
つまり、水虫と言う「病気」は未だ一世紀をやっと経たという病気のニューフェイスでもあるわけです。
posted by tsumemizumushi at 15:16| 水虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

水虫 その2


水虫の正体は白癬菌(はくせんきん)という微生物です。白癬菌は、菌は菌でも、細菌ではありません。カビの一種の総称なのです。

カビは微生物の一種で真菌と呼ばれ、常に空気中に存在しています。

半世紀程度前のあまり新しい統計はありませんが、神戸市衛生研究所の研究データでは空気中1m3当たり、80個前後のカビ菌が漂っているという測定結果があります。

日本は、とても湿度が高く、昨今の地球温暖化効果もこれに拍車をかけ、白癬菌に限らず、さまざまな真菌(カビ)が繁殖しやすい環境にあるといえます。

真菌がカビという形に変わるためには4つの必要条件があります。

  1.適度な温度があること(10〜35℃前後)
  2.栄養分があること(有機物でホコリ、チリ、あかなども栄養素となる)
  3.水分があること
(とは言っても、カビは呼吸と発酵するには酸素が必要ですので、水の中では酸素を利用することが出来ないため、「充分な湿気があること」と言ったほうが適当でしょう)
  4.酸素があること(呼吸、発酵に必要)

ということで、靴を履いている足の指の間は湿度95%以上、温度は32度以上といわれていますので、靴の中は水虫、つまり白癬菌にとっての最高の棲家になるのです。
運動選手などの股間の湿度や温度のデータ-はありませんが、靴中ほどではないにしろ、これに近いものと思われます。
posted by tsumemizumushi at 15:15| 水虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

水虫 その3

次に水虫がどのように人の足に定住してしまうのか、そのメカニズムを解明しましょう。

人体を覆っている皮膚は表皮、真皮、皮下組織からなります。
表皮は外側から角質層、透明層、顆粒層、有棘層、基底層の5層構造になっています。

角質層は髪の毛の同じケラチンという蛋白質で、外気から皮膚を保護しています。
基底層が成長して、角質層になるわけですが、これには約4週間つまり1ヶ月という時間が必要です。

角質層になってから、薄い場所では2週間、かかとのように厚い場所では数カ月経って剥げ落ちていきます。
角質層を含めて表皮が入れ替わるのには最低でも6週間という時間が必要です。

通常の病原体は角質層には侵入できないので、細菌や真菌に対するのは白血球ですが、白血球は真皮では活躍できますが固い角質層の中へ入って行く必要もないので、白血球が入っていく事ができない構造になっていたのですが・・・

白癬菌(水虫菌)は例外的に、ケラチナーゼという酵素を持っており、角質層や爪のケラチンを溶かして栄養源として増殖してしまうんです。


さて、ここで先ほどの4条件を反芻しましょう。

  1.適度な温度があること(10〜35℃前後)
  2.栄養分があること(有機物でホコリ、チリ、あかなども栄養素となる)
  3.充分な湿気があること水分があること
  4.酸素があること(呼吸、発酵に必要)

白癬菌が皮ふに付着し、住みつくまでに12〜24時間かかりますので、この4条件を12時間以上存在させない事が、水虫を防ぐ第一歩です。

免疫系の細胞が入っていくことができず、細胞の入れ替わりに時間がかかる表皮の角化層の感染症なので、水虫は治癒に時間がかかることになります。根治するには角質層が入れ替わる期間の倍以上、最低でも12週間以上必要です。

治療には外用剤をぬる事が第一ですが、白癬菌は水虫の患部を中心にその外側へ放射状に増えていきます。症状のない綺麗と見える部分にも潜んでいるので、症状のある部分だけでなく、そのまわりにもぬることが大切です。

ある程度ぬって良くなっても、皮ふの深いところに菌が生き残る為、症状がなくなっても最低3カ月は薬をぬりつづける必要があります。
水虫は完治するまで時間がかかっても決して不治の病ではありませんので、ご安心ください。
posted by tsumemizumushi at 15:05| 水虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
日本のゲーム機
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。